6年前、お酒をやめようと一念発起し、色々な方法を試しましたが、ことごとく失敗しました。最後の手段として、藁をもすがる気持ちで読んだのが、この本「禁酒セラピー」です。そして、読んだ結果、無事禁酒に成功し、5年半、お酒を一切飲むことなくすみました。
そして、今年、つい気が緩んで、旅先で飲んでしまったのをきっかけに、家でも飲むことになり、飲酒習慣が復活してしまいました。一旦、復活してしまうと、今まで飲みたかった欲求があふれかえるようになり、毎晩飲んで、食べたいつまみを食べ、体重も3キロ以上増える結果となりました。
これではいけないと、本棚からこの「禁酒セラピー」を出してきて、読み直してみました。そしたら、忘れていたことがあったので、あらためて書き記しておきたいと思います。
まず、1点目にして、一番大事なところは、精神力でやめないということです。我慢して我慢してやめてしまうと、お酒を飲みたいという欲求が、根本のところで残ってしまい、いつかそのフラストレーションが爆発して、またすぐ飲むように戻ってしまいます。スタートダッシュの時に、ある程度の我慢は必要かもしれませんが、根本は楽しんでやめることを作者は伝えています。
そして、その楽しんでやめるために必要なのは、お酒が「悪」であり、お酒のメリットは何もないこと、お酒の中毒性について理解することの大切さを本書はとうとうと語っています。
この本の真骨頂はここにあります。お酒がいかに薬物依存と共通しているか、そして、本当にお酒のメリットは何もないのだということを、今までいかにお酒やお酒メーカーに騙されていたのかに、気づかさせてくれることです。
例えば、コカインやヘロイン中毒患者に、「少しぐらいなら大丈夫だ」と言うことがあるでしょうか?しかし、お酒においては、お酒は飲みすぎなければ大丈夫とか、「酒は百薬の長」という酒飲みの言い訳じみた言説がはびこっています。
お酒を作ってるメーカー、お酒を提供している場所、お酒から税金をとっている政府、お酒は大きな利権の上で成り立っており、しかも、医者までもがお酒を飲んでいるので、声高に「酒が悪」だということが言われなくなっている世の中です。
お酒を本気でやめたい人は、まずはこの本を最初から、丁寧に読んでほしいと思います。そして、自分の納得がいってから、最後の章を読み終えた時点で、作者の言ってることが理解できれば、すんなりとやめることができると思います。
あなたの今までのお酒に対する考え方を根本から変える、素晴らしい禁酒本です。