この本のレビューを見ると、沢尻エリカさんが感銘を受けた本として、紹介されたことがあるようなのですが、その元記事は探したのですが、見つかりませんでした。
本書の内容は、子供の頃から、星に興味があった作者が、航空自衛隊の時に、大病にかかり死にかけてしまいます。その時に、臨死体験をしたことで、人生観が変わり、その後、彗星探索や、環境問題に取り組み、地球のために生きるようになった経緯が書かれてあります。実際に作者の木内さんが発見して、木内さんの名前がついた彗星があるようです。
その中で自分が特に興味を持った点が2つあります。
1つは、木内さんが体験した臨死体験の話です。死んでしまうと、個人の意識ではなく、集合意識になってしまい、いわゆる個人や時間を超越した存在になってしまうということです。
集合意識になることで、時間や場所を行き来することまででき、宇宙や地球がどうやってできあがっていったかまで、木内さんは見ることができたようです。
今まで臨死体験を語った内容はどこか共通点があったのですが、この集合意識になってしまうというのは、今まで聞いたことがなかったので、自分の中では画期的でした。
集合意識の場合、全てのことが意識しとして理解でき、成長もあまりなく退屈であるため、個人として人間に生まれてきているとのことでした。
本当かどうかは別にして、自分としては、妙に納得できます。
2点目は、人間の存在意義の話です。
人間はこの地球環境のバランス調整役として存在しているというお話です。単純な動植物だけではおこなえない、大きな地球環境のバランスをとる存在として、人間が生まれたというお話です。
これも、人間が生きる意味として、説得力を感じてしまいました。
ただ、その人間自体が地球のバランスを崩すことをやってしまっているので、本来の目的の環境を整える行動が必要だと、木内さんが環境浄化活動をやっている話につながっていきます。
自分として、その意見に賛成ではないですが、人間の生きるための意義をこうもはっきりと定義づけしているのは、ある種気持ちがいいです。
ただ読んでて、「あれ?おかしくね?」とトンデモ本を思い起こさせるような、話が途中いくつか出てきます。
・月が1万5,000年前にできた
・太古、文明をもった人類がいたが、地下に住んでて、洪水で絶滅した
・太陽エネルギーを使ったごみ処理方法
・自作した「太古の水」を使って、癌患者の癌が治った
あと、環境問題に振りすぎたあまり、経済至上主義を否定している箇所が多数でてきます。それも自分的には納得できませんでした。
途中、ちょっと納得いかない言説も多数ありますが、この本を通して伝えたかったことが、本書の後半に強く語られています。木内さんがこの臨死体験を経て、人間がいかに生きていくか、というメッセージです。
木内さんは語っています。
人は思っている以上に潜在的パワーがある。
自分以上に自分の素晴らしさを認められる人はいないと。
まずは、自分で自分を褒めて、自分が自信をもって、人生の意味を見出して、才能を発揮すること。
そして、宇宙を知るということは、突き詰めていくと自分を知るということ。なぜなら、そこに存在しているのは、結局は自分自身でもある膨大な意識そのものだから。
木内さんの体験や考え方に、賛成するしないかは別です。
しかし、木内さんには「人間が何のために生きるか。いかに生きるか」としての強いメッセージがあり、それが自分が考えていた死後の世界や生きる意味として、新しい刺激となり、とても興味深く読めた本となりました。